【徒歩尾行|プロに学ぶ浮気調査の技術】

尾行は探偵技術の真髄

徒歩尾行訓練

【公開尾行訓練の徒歩尾行の部】

探偵(右2人)、取材者の私(中央)、広告代理店関係者(左2人)。撮影は新人探偵による隠し撮り。
探偵の説明を聞きながらこのグループがショッピングモール内を歩く。
新人探偵2名がこのグループを徒歩尾行・撮影し、教官が注意を与える。
尾行される側も無線でそのやり取りを聞く。徒歩尾行訓練の部はこういう形で行われた。

 

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浮気調査の技術の中で最も難しく重要なものが尾行技術です。

 

これまでの原一探偵事務所の3回の取材でその片鱗を知ることができたのでお伝えします。

 

このページでは徒歩尾行についてまとめました。

 

ベースになっているのは主に2回目の取材の時の尾行体験です。

 

このページの内容を理解するには、先に原一が公開している尾行体験の内容を理解した方がいいと思います。

尾行はチーム尾行が原則

徒歩尾行、車両尾行、ともに尾行は二人以上の人間がチームを組んでやるのが原則です。

 

変装した探偵が一人で長時間尾行するのは、マンガやドラマの世界です。

 

現実にそんなことをすれば、すぐにバレます。

 

  • 1人ではトイレにも行けない。
  • 出口が複数あるホテルに入られたら、どこで出待ちするのか?
  • 相手がUターンしてきたらどうするか?

 

この3つを考えてみただけでも、単独尾行は失敗する危険が大きいことがわかります。

 

尾行は2つのリスクのジレンマとの闘いです。

 

第一に、ターゲットに近づくほど尾行の継続は容易になるが、発覚(バレる)のリスクが上がります。

 

第二に、ターゲットと距離を取るほど発覚のリスクは下がりますが、今度は失尾(見失う)のリスクが上がります。

 

このジレンマに長時間一人で対応するのは、いかにプロでも無理があるのです。

 

それがチームだと、近づく役割を交替することで発覚のリスクを下げたり、片方が先回りをしたり、ということでうまく対応できるのです。

 

徒歩尾行は姿を見られないことが原則

駐車場で撮影された我々

【駐車場で撮影された我々】

車両尾行からショッピングモールに入って徒歩尾行へ移行。
我々は尾行され、撮影され続けている。

 

原一の尾行体験では、私は説明役のベテラン探偵W氏とともに車を降りて、ショッピングモールに入りました。

 

駐車場からの入り口付近で私が質問したために、かなりの時間そこにとどまってしまいました。

 

尾行者役の新人探偵は待ちかねて、先回りしようとしたのでしょう。

 

私たちのそばをすり抜けていきました。

 

すると無線で教官が厳しく叱責する声が聞こえました。

 

W探偵が説明をくれました。

 

「探偵は相手の記憶に残ることをしてはいけない。そばをすり抜けたからといって尾行者とは必ずしも思われないが、記憶には少し残る。次に見かけた時に『あれ?』と思われる。3回目に見られた時は確実に尾行者と判断される。後がなくなっていくということだ。」

 

われわれがショッピングモールの中を歩いていると、探偵に観察されているのが無線でわかります。

 

「広場を店舗ゾーン方向に進行中。」

 

「立ち止まって周囲を見渡している。」

 

「進行再開。」

 

しかし、まったく姿は見えません。

 

どうやっているのかはわかりませんでしたが、徒歩尾行では姿を見られること自体を極力避けるのが基本だと知りました。

 

隠し撮り技術のページで説明しますが、決定的証拠場面の撮影では、原一の探偵は思い切り近づいて接写します。

 

圧倒的なインパクトのある証拠写真を撮るためです。

 

その大切な瞬間にさりげなく近づけるように、ほかの場面では姿を隠し続けるのです。

 

観察のポイント

ショッピングモール内で撮影された我々

【ショッピングモール内で撮影された我々】

モールの雑踏の中を歩き続ける私たちのグループ。
その動きはすべて見られているのが無線でわかる。
しかし、探偵の姿はどこにも見えない。
訓練なので尾行者の顔を知っているにも関わらず、見つけられない。
写真もたくさん撮られていた。

 

尾行ではただぼんやりついて行くのではなく、相手をよく観察して先を読んでいくことが大切です。

 

わたしたちはある雑貨店に入りました。無線が聞こえます。

 

新人探偵「〇〇ショップに入りました。」

 

鬼教官「そのショップに出口がいくつあるか、まず確認しろ」

 

なるほど、と思いました。

 

気づいていない出口があれば、知らない間にそこから抜けられてしまう危険があります。

 

出口が多い場合、別の探偵がそのうちのどれかをカバーして見張ることで失尾のリスクを下げることもできます。

 

W探偵が説明をくれます。

 

「ターゲットの買い物もヒントになる。コンドームを買っていれば、間違いなくその日に浮気をする。飲み物を2つ買っていれば、相手に会う時間も近い。」

 

1回目の取材の時にW探偵が教えてくれたことも思い出しました。

 

「尾行を始めて5分くらいの間で、相手のクセを見抜く。例えば、ガラスなど自分の姿が映るものがあると必ず見入る人がいる。クセを把握すると次の行動が読みやすくなる。」

 

「車道のそばで急に立ち止ったら、タクシーを拾う兆候。すぐに無線連絡して待機させていた車を出す。実際にタクシーに乗り込まれてからでは遅い。」

 

今挙げたようなことは本の一例で、この種のノウハウが山ほどあるわけです。

 

見られても動いてはいけない

雑貨店の中でも観察され続けているのが無線でわかりますが、探偵の姿は見えません。

 

「いったいどこにいるんだろう?」

 

「もしかして、隣の棚の通路か?」

 

そう思ってピョンと飛んでみると、探偵を発見しました。

 

新人探偵さんはあわてて背を向けました。

 

W探偵が説明をくれます。

 

「今のは変な動きをしたのがいけない。本番だと探偵の顔は知らないわけだから、見られても動かなければバレなかった。」

 

なるほど。

 

しかし、心臓バクバクで尾行しているわけですから、不意に見られても動かない、顔色一つ変えないというのは、とても難しいでしょう。

 

もともと度胸があった上で、十分な訓練・経験を積んでおかないと、ターゲットの予想外の行動で一気に発覚するリスクはとても高いと思います。

 

大切な土地勘

1回目の取材の時に聞いた話ですが、原一では新人に駅の順番などを覚えさせるためにペーパーテストをするそうです。

 

〇〇線の駅の順番とか、どこの駅で別の路線と乗換ができるか、とか。

 

あと、駅やデパートなどのどの通路がどこにつながっているか、などにも精通しておくことが大切だそうです。

 

「尾行なんて後をつけるだけ」などというのは素人考えであって、知識もスキルも大変なものが必要なのです。

 

引き続き、車両尾行の技術に関するページを読む

 

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