現場の探偵に聞いた地域事情
浮気デートの仕方など全国どこでも同じではないか、と思いそうですが、実はけっこう地域差があります。
調査の難しいポイントも地域によって違います。
逆に言うと、地域の調査事情に精通し、土地勘を持っていないと、調査が失敗しやすいということも意味しています。
当サイト管理人は原一探偵事務所に繰り返し取材する機会を得ており、各地の探偵にインタビューするうちにわかってきました。
それをここに簡単にまとめます。
移動手段は徒歩か、車か?
尾行は大きく、「徒歩尾行」と「車両尾行」に分けられます。
徒歩尾行とは、車を使わず、電車やバスを使って動くターゲットを追うことです。
車を使うターゲットも駐車して徒歩に移行することがありますし、徒歩のターゲットもタクシーを拾うことがあり、両者は重なる部分もあります。
ただ、どちらがメインの移動手段かによって探偵が用意する車両の台数が変わるので区別されているのです。
一般に田舎に行くほど車両尾行の比率が高くなります。
車両尾行メインの調査案件を専門用語で「車現場」といいます。
北海道では、札幌市中心部(ススキノなど)での調査を除くと、ほとんど車現場です。
群馬県も国道沿いに街が発展しており、鉄道駅周辺はあまり元気がない地域で、やはりほとんど車現場です。
愛媛県松山市は道後温泉などもあり観光資源豊かで、徒歩尾行も多そうに思えますが、松山支社の責任者の話では、車現場が9割だそうです。
しかし、埼玉県は全然違います。
大宮駅は全国2位の路線集中駅で、新幹線も通っています。
大宮支社の受任案件では、徒歩尾行の比率が全国でも突出して高いそうです。
地元か、遠出か?
埼玉の浮気カップルは電車で県外はるかに散っていくケースがが多いそうです。
東京都、横浜、千葉、群馬の温泉地、果ては新幹線を使って北海道…など、行き先が全く読めない。
そして浮気行動が埼玉県内で完結することはほとんどないそうです。
これと対照的に、群馬では地元完結型で県外に出ることは稀だそうです。
松山支社の情報では、四国の浮気デートは四国内の遠出ドライブが多いとのこと。
しまなみ海道や瀬戸大橋を使って本州に渡ることは、料金が高いせいもあってか、比較的少ないそうです。
地元の相手か遠距離恋愛か?
群馬では同じ工場勤務とか、地元の相手がほとんどとのこと。
浮気相手の顔さえわかれば調べなくてもどこの誰かわかり、所在調査が要らないケースが多いのが群馬の調査の特徴だと言っていました。
これに対し、横浜の浮気は県外の相手も多いそうです。
月に1~2度、横浜駅で落ち合い、みなとみらいでデートするなどのパターンがよく見られるようです。
終着点はラブホテル?
全国的には浮気デートの終着点はラブホテルが主流です。
しかし、横浜の場合はシティホテルです。
これは人気デートスポットの「みなとみらい」の近隣地区はラブホテル建設が禁止されているという事情によります。
横浜にも従来からのラブホテル街が2か所ありますが、みなとみらいからは遠く、しかも怪しい雰囲気なので不人気です。
シティホテル側もニーズに対応して「デイユース」という呼称で、ラブホテルの「休憩」に当たるサービスを提供しています。
その他の特殊な地域事情
横浜の住人は横浜ナンバーというものに極めて敏感です。
どこでも地域外のナンバーの車は警戒されることがありますが、横浜の過敏さは異常だそうです。
ならば横浜ナンバーの車だけ使えばいいかというと、遠方までの追尾になった場合に逆に困ります。
例えば埼玉まで追った場合に「なぜこんな場所に横浜ナンバーの車がいるのか?」と怪しまれるのです。
そういうわけで、横浜の車現場はいろいろな車種・カラー・地域ナンバーの車を持っていないと難しいのです。
一方、北海道はまったく違う理由で車両尾行が非常に難しい地域です。
それは土地が広大で尾行が目立つということです。
冬期には積雪がさらに難易度を上げます。
除雪された雪が1レーンにうずたかく積み上げられ、視界が悪くなり、張り込みの場所も取れなくなります。
北海道は運転の乱暴な人が多く、3車線の道路をウインカーも出さずに右折したりします。
スリップやホワイトアウトの危険も増す中、こんなターゲットを追尾せねばなりません。
夜間には追尾の際には鹿の群れとの衝突、張込みの際には熊の襲撃にも注意しなければなりません。
冬期の北海道は、よそ者の探偵が調査をできるような場所ではありません。
以上はこれまでの取材で面白かった地域差をまとめたものです。
原一探偵事務所には今後も継続して取材していく予定なので、まだまだ出てくると思います。
順次、このページに加筆していきたいと思っています。