圧倒的な証拠写真にこだわる原一
【定点観測用暗視カメラ(原一所有)】
調査成功には撮影機材の充実も欠かせない。
調査の質を最後に左右する写真
探偵技術の中核は尾行技術ですが、そうは言っても最後の決め手は写真です。
尾行がうまくないと最高の撮影チャンスはつかめませんが、そのチャンスが来た時に最高の写真が撮れないと、それまでの尾行はムダになるのです。
原一は、インパクトの強い証拠写真撮りに強いこだわりをもっているそうです。
取材の際、目に黒線を入れた実物の調査報告書を特別に見せてもらいましたが、圧倒的でした。例えば・・・
- ホテルで二人で部屋を選んでいるシーン
- 路チューの二人の横顔の大写し
- 夜の公園で性行為に及ぶシーン
いったいどうやって撮ったのか、と驚かされました。
他社の薄暗くてピントがボケた、顔の不鮮明な、お決まりのホテルから出てくるシーンの写真と大違いです。
では、なぜ写真のインパクトにこだわるのか?
生々しい写真を見たら、依頼者がショックを受けることがあるのはハライチ探偵もわかっています。
しかし、観念して浮気を認めさせるには、言い訳の余地がある中途半端な写真ではダメなのです。
万が一、離婚訴訟になっても証拠能力が確信できる写真を持つことによって、逆に関係修復の交渉も強気でできます。
原一は、事実をはっきりさせ、未来を変える力を持った写真を依頼者に提供しようとしているのです。
そんなインパクトの強い写真を撮る技術の片鱗がわかったので、お伝えします。
ホテルの部屋を選ぶシーンはこうやって撮っていた!
車両尾行の記事の続きです。
われわれはターゲットを尾行する教官の車の無線誘導を受けてラブホテルに入りました。
ターゲットが降車してホテルに入ったとのことなので、我々も降車して建物に入ります。
【浮気カップルを追ってホテル内に突入!】
尾行訓練の締めくくりは、ラブホテルで部屋を選ぶ浮気カップルの撮影。
尾行する側の私と広告代理店の女性が、浮気カップル役の探偵を追ってホテルに入るシーン。
いました!
浮気カップルを演じるF探偵と新人女性探偵が部屋のパネルを選ぶ演技をしてくれています。
我々は男2名女1名(W探偵、私、広告代理店の女性)でしたが、本番の調査では男女ペアの探偵がカップルを装って入ります。
そして先に入っていたターゲットを至近距離から隠し撮りします。
そして、先着のカップルと鉢合わせして当惑したフリをしてすぐに建物を出て、撮影完了です。
【ラブホテルで部屋を選ぶカップルの写真】
写真は実際の浮気カップルではなく、尾行訓練で追尾されるカップル役の探偵。
二人でラブホテルの部屋を選んでいる接写シーンには、いかなる言い訳も無理です。
相手も強烈なショックを受け、思わず観念・白状してしまうでしょう。
あの写真はこんな風に撮られていたのです。
隠し撮り機材のいろいろ
【タバコ型隠しカメラ(原一所有)】
一見、煙草の箱にしか見えないが、小さな穴が開いていて、カメラが仕込まれている。
さりげなくポンと置いて、この穴の視界に撮りたい画像が収まるように一度でセッティングできるには熟練が必要。
1回目の取材の時に、W探偵に隠し撮りの機材をいろいろ見せてもらったので紹介しておきます。
煙草の箱型カメラは無造作にポンと置いて使います。
画角が合わないと首から下しか写っていなかったりしますが、画角を合そうとモタモタいじっていると怪しまれます。
【ライター型隠しカメラ(原一所有)】
タバコ型と同様、テーブルにポン置きで隠し撮りするための機材。
タバコ型やライター型の隠しカメラは、いかにも無造作に置いて一発で画角を合せ、後はスマホをいじったりして注意をそらせます。
機材の性能とかより、探偵のスキルこそが大切なわけです。
【腕時計型隠しカメラ(原一所有)】
これも画角を合わせるのが難しいのは同じ。
相手の方をチラチラ見ながら、手の角度を不自然に何度も変えていると、すぐにバレる。
一方、ボールペン型、腕時計型、やメガネ型のカメラは、装着した状態で相手を隠し撮りします。
さりげなくすれ違って接写したり、聞き込みをしながら撮影するのにもってこいの道具です。
【腕時計型隠しカメラの使い方の一例】
体に装着する隠しカメラの場合も、カメラから注意を逸らす上で、スマホいじりは有効なテクニックのひとつです。
【Wifiビデオカメラ(原一所有)】
カメラは腰元(ズボンのポケットに突っ込んだ手の後ろ)からのぞいている。
この場合、スマホはカメラから注意を逸らすための偽装だけではない。
カメラの画像がWifiでスマホに飛ばされて見え、画角調整が簡単にできる。
新しい製品で使い勝手がいいのは、画像をWiFiでスマホに飛ばせるビデオカメラです。
カメラは腰やバッグなどに仕込みます。
そして横を向いてスマホを見ているフリをしながら、画角調整ができるわけです。
【鉢に仕込まれたWifi隠しビデオカメラ】
このカメラは室内のグリーン鉢などに仕込み、後で回収するといった使われ方もします。
望遠撮影について
ここぞ!というシーンの時はさりげなく思い切りターゲットに接近して撮影します。
しかし、そこに至るまでのプロセスの尾行では、探偵は姿を見られないようにして、遠方から望遠で撮影します。
公開尾行訓練の中でショッピングモールで徒歩尾行を受けましたが、私は写真を撮られまくっていました。
その時は、一挙一頭足を見られていることは無線でわかりましたが、探偵の姿は見つけることができなかった。
訓練なので相手の顔は知っているにも関わらず、です。
そして訓練終了から数日してメールで写真の圧縮データが届きました。
自分の姿が鮮明に写った多数の写真を見て、ただただ笑いました。
尾行されてるとわかっていてもこれなのですから、知らないうちに調査されてたら、私生活撮られ放題です。
誰だって知らないうちにこんな写真を撮られているかもしれないわけです。
笑うほかありません。
さすがプロです。
素人が尾行してこんな写真を撮ることは不可能だと実感しました。
常に最新の機材を研究・購入
技術は日進月歩で、隠し撮りなどの調査機材もどんどん新しいものが発売されています。
原一では定期的に試験購入して探偵たちにモニター使用してもらうそうです。
そしてよい評価が得られた装置は会社として導入します。
「現場の探偵が要望する装置なら、社長は必ず買ってくれる。」(W探偵談)
調査の質を高めるためには投資を惜しまない姿勢が強く伝わってきました。
【ドローン(原一所有)】
話題のドローンも発売されるとすぐに導入。ただし、法規制が強まり、出番は減っているとのこと。